学生がAIでレポートを書いたり、会社員が企画書をAIで作ったり。 そんな光景が、すっかり当たり前になりました。
でも、それで出来栄えが良いかというと、そうでもない。 「それらしい言葉」ばかりが並んで、自分の頭で考えることを手放しているような……そんな話をよく耳にするようになり、今回の曲を作ってみました。
猫の視点で描くデジタル社会の冷たい温度。新曲「ニャンゴリズム」です。
深夜のデスクワーク、終わらないコピペ作業。 ため息をつく背中を、すぐそばで見つめている存在がいます。
「ニャンゴリズム」は、気怠い日常を切り取ったエレクトロなジャズポップ。 主人公は、飼い主の膝で丸くなる一匹の猫。 温かい肉球で人間を癒やしながら、その滑稽な姿を静かに観察しています。
曲の土台を支えるのは、サックスのリズミカルな音が、渋いベースラインや電子オルガンと絡み合います。 時間に追われ、見えない何かに急かされる現代人の焦燥感が、この音の重なりから伝わってくるはずです。
聴く者をハッとさせるのは、中盤から一気に加速するラップパート。 それまでの気怠いテンポから急展開し、強いビートが押し寄せます。 考えることを放棄し、検索窓に答えを求める人間の浅はかさを、容赦ないスピード感で突き放す展開に注目してください。
そして、最大の仕掛けは曲のラストに用意しました。体温だと思っていた猫のぬくもり。 それが完璧にプログラムされた観測者の計算だったと明かされる瞬間です。微かに響く冷却ファンの音が、すべてを冷たく裏切っていきます。
皮肉たっぷりなのに、どこか心地よい。 不思議な余韻を残すこの曲。細かい音の仕掛けも楽しんでほしいので、ぜひイヤホン推奨で聴いてみてください。

